薬学実習のやり方例(病院版)

薬学実務実習

薬学実務実習 資格の取り方(具体例)

実務実習認定指導薬剤師 取得までの流れは、リンク参照

薬学実務実習の分野ごと

薬学実習の内容というのは、下記の様に

(1)~(5)の5実習分野に大別されている。また評価方法が実習分野ごとに違うが、それは実習内容の性質によるもの。

<例>(4)の地域医療への参画などは、(概略評価をつかって)ここまでできたからレベル③の評価などと、区切る事は難しい為。(実習記録をつかって)総合的に判断したほうが実力・学習成果を反映しやすい。

分野分野名評価方法
(1)薬学臨床の基礎概略評価
(2)処方せんに基づく調剤概略評価
(3)薬物療法の実践
(+で8疾患にも対応)
概略評価
(4)チーム医療への参画
(+で8疾患にも対応)
実務実習記録
(5)地域の保健・医療・福祉への参画
※但し病院実習とはあまり関係無
実務実習記録

全体的なスケジュール

一例として、このようなスケジュールが考えられる。

黄色地は、オンラインで可能なもの。

青地は、実地実習でしかできないもの。

こうすると、本当に実地でしかできない内容は、総合演習だけである。というか、実地の回数を可能な限り減らす工夫をするとこうなる。

どうしてこの流れなのかは、次項の「各分野((1)~(5))の実習内容について」を参照されたい。

各分野((1)~(5))の実習内容について

各分野についてだが、詳しくはこちらのExcelファイルを参照されたい。

403 Forbidden
薬学実務実習の評価の観点について.xlsx

これは公式サイトが載せているPDFを、Excel化したもの。対応SBOsについても載っている。

8疾患について

先に挙げた課題のなかで概ね網羅されている。

こちらを参照されたい

実地実習orオンライン実習の区別

・・・まず最初に、実習内容が「オンラインでできるかどうか」で分ける。

 実地でしかできない内容

(2)
処方調剤・疑義照会を
仕上げの実地実習で本当にやってもらう。
(2)
混注・電カルとの鑑査を
仕上げの実地実習で本当にやってもらう。
(2)
来局者・患者への対応、服薬指導、
電子カルテへの記録は
仕上げの実地実習で本当にやってもらう。
(2)

どうしても出来ない「感染対策」などは
実地実習となる。
(3)
患者の身体制約×指導方法のみ実地実習が良
(3)
実際の指導のみ実地で
(3)
実地必要なのは医師・看護師への説明時くらい

意外に少ない。たいていの実習内容はガチガチに実地環境でなくても出来るからだ。ようは「基本的な事は殆どオンライン実習の課題」で対応できて、仕上げの実地実習をする形である。仕上げだけをすればいいのだから、実地回数は少なくていい。

この仕上げの実地実習は、「総合演習」として実際病院でやってもらう時間にする。

基本的な事はオンラインで、仕上げに実地実習とできるのか?
・・・実は現場薬剤師も知らず知らずのうちに、ほぼ同一の事をやっている。例えば対応難しい患者に指導するさい、先輩に助言貰う・リハーサルを念入りに行う等をしているはず。この助言貰う・リハーサルするといった「準備」は患者に接していない。つまり患者に接しない「準備」の段階は、オンラインで行っても支障はない。

 実地orオンラインも可能な内容

(1)いま医療現場で働く人間の心構え・
気を付ける事を伝えればよい為。
(1)電子カルテ・患者情報(手帳等や施設サマリ等)
を見せながら解説すればOK。
(2)
病院薬剤師会の課題or院内の実際症例
を例示し、解説することで対応可。
※仕上げに実地実習で本当にやってもらう
(2)
上記と同じ
※仕上げに実地実習で「混注」「電カル鑑査」
(2)
「実際患者に応対」
「電カル等院内の情報から必要情報を抜出す」
でなくば、オンライン対応可能
(2)無駄なく医薬品を管理する方法。
院内の薬品だな・ストック位置と
管理フローを教えれば、オンラインでOK
(2)
無駄なく医薬品を管理する方法。
院内の薬品だな・ストック位置と
管理フローを教えれば、オンラインでOK
(3)
略語は「症例と電カル」を沢山見せて自然と
患者の身体制約×指導方法のみ実地実習が良
(3)
①とかぶるが実際の指導のみ実地で
(3)
処方立案については教科書・ガイドラインから
手に入る情報からで十分。
実地必要なのは医師・看護師への説明時くらい
(3)オンラインのみで十分。電カル記載という行為
は実地実習でしかできないが、書く練習は
どこにやっても一緒。
(4)一見実地限定にみえるが、管理の方法論など
パターン化してきまっており、方法論を
考えるのもオンラインで十分である。

<オンライン実習を導入する理由>
①感染症対策。病院への実習生立ち入り回数を減らせる=感染症リスクを減らせる
 例)2020年3月~猛威を振るった、新型コロナ感染症への対応

②学生の(実習先への)通学負担軽減。週5回×11週間をフルタイムで通学するよりも、週4回×6週とかの方が断然ラクである。

③実習先として選んでもらう材料。オンライン選択可能とすることで、「○○病院は11週間の通いにはキツイが、6週間なら通える」と考える薬学生も取り込める。

次に、感染症対策を加味したスケジュールを作る。

例えば2020年3月から猛威ふるった新型コロナ感染症は、潜伏期間14日程度。その為、実習の最初14日間はオンライン実習として、実習中は人混みなどの感染症リスクを一切避けるように伝える。そうすることで例え無症状コロナ感染者であっても、ピークアウトしてから実地実習とできる。

オンライン実習の流れ

このような流れで行える。

オンライン実習 課題やりとり方法の例

<上記課題やりとり方法の例に補足>
●課題は1日3~5時間で完了する量。
●送信・提出・解説は15時までに。
●送信・提出のやり方➡メールのやりとり+会議ソフトで「送信しました」くらいの声掛けは行う(あくまで実習であり・現場とのつながり意識させる為)。
●解説のやり方➡会議ソフト。

メールのやりとり

➡ゼロックス(実務実習管理システム)の添付メール機能を使用する。

●「課題の送信」「課題の提出」はメールのやりとりで行える。

リアルタイムでの会話

➡会議ソフトを使用。例えば「Zoom」「Google Meet」など。

●「課題の解説」はリアルタイムで解説しないとダメ。

●会議ソフトを使用するため、指導薬剤師の職場・実習生の自宅ともにWi-Fi環境がほぼ必須。ただし最近の実習生自宅はほぼWi-Fi環境があるとアンケート結果あり。

参考

●「薬学実務実習の評価の観点について」ー 文部科学省

 PDF版(原本)  Excel版(当サイトでExcel化)

●「薬学教育モデルコアカリキュラム(外部リンク)」ー 一般社団法人 薬学教育協議会

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